インボイスを発行できないと取引先に迷惑をかけてしまう理由
本日から8月になり、インボイス制度の開始までちょうど2ヵ月となりました。
インボイス制度と聞いて、こんな風に感じていませんか?
「今更だけど、インボイス制度ってなんだっけ・・・」
「いつまでに何をすればいいかわからない・・・」
インボイス制度への対応ができていないと、いつもお世話になっている取引先に迷惑をかけてしまうことになります。
今のうちに制度について理解し、円滑な取引が継続できるように準備しておきましょう。
【そもそも「インボイス制度」とは?】
インボイス制度の正式名称は「適格請求書等保存方式」です。
事業者が納める消費税について、仕入税額控除を受けるためには 一定の要件を満たす請求書(適格請求書) の保存が必要になります。
【誰が対応する必要があるのか?】
取引における売り手側、買い手側の双方で対応が必要です。
・売り手側
買い手側からインボイスの発行を求められることが予想されますのでインボイスを発行できるようにしておきます。
また発行したインボイスを保存する必要があります。
・買い手側
売り手側から受け取ったインボイスを保存する必要があります。
買い手と売り手の双方がインボイスを保存しておくことで、買い手側は消費税の仕入税額控除を受けることができます。
【インボイスを発行できないと取引先が損をする?】
取引においてインボイスが発行・保存されていないと、買い手側は消費税の仕入税額控除を受けることができません。
このことがなぜ取引先に迷惑をかけることになるのかを理解するために、消費税の仕組みについて知っておく必要があります。
消費税とは、消費者が負担し事業者が納付する税です。
下記の取引例をもとに考えてみましょう。
【消費税の仕組みの具体例】
A社は、仕入先 B社から商品を10万円で仕入れました。その後、仕入れた商品を C社に12万円で販売しました。
それぞれの取引は下記のようになります。
・A社が B社に支払う金額
11万円(商品代 10万円 + 消費税 1万円)
・A社が C社から受け取る金額
13.2万円(商品代 12万円 + 消費税 1.2万円)
この場合、A社が納める消費税は
販売時にC社から受け取った消費税 1.2万円 ー 仕入時にB社に支払った消費税 1万円 = 0.2万円 となります。
※ 仕入の際に B社に支払った消費税額は仕入税額控除として差し引かれます。
【 B社がインボイスを発行できない場合の具体例】
インボイス制度では、上記の仕入税額控除を受けるためにはインボイスの受領と保存が必要になります。
もし B社がインボイス制度に対応しなかったとしたら、A社が納める消費税は下記のようになります。
・A社が B社に支払う金額
11万円(商品代 10万円 + 消費税 1万円)
・A社が C社から受け取る金額
13.2万円(商品代 12万円 + 消費税 1.2万円)
取引における金額に変化はありませんが、B社がインボイスを発行できない場合、
A社は仕入税額控除を受けることができません。
そのため、A社が納める消費税は、販売時にC社から受け取った消費税と同額の 1.2万円 となり、仕入税額控除を受けた時と比べて1万円余分に消費税を納めることになってしまうのです。
2023年10月以降、A社はそのまま取引を続けるでしょうか?
もしあなたがA社の立場だとしたら、B社との取引を継続しますか???
インボイスを発行するための準備や必要なことについては、また次回。
インボイス制度のお悩みごとやお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。
電話:06-6447-0855
メール: moriwaki@topoffice.co.jp
お読みいただきありがとうございました。